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インハウス化の流れの中で、制作会社は何ができるのか

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2019.04.18

ウェブ制作における運用を自社内でまかなう、「インハウス化」が注目されています。ウェブ制作やコンテンツマーケティングの現場で、インハウス化の流れはどのような影響をもたらしているのでしょうか。ナイル株式会社の實川節朗様にお話を伺いました。

インハウス化の流れの中で、制作会社は何ができるのか

 

ウェブ制作における運用を自社内でまかなう、「インハウス化」が注目されています。これまでアウトソースされてきた業務を内製化することで、コストメリットやスピード感のある運用が期待できる一方で、リソースの確保など新たな課題が生まれることも。

ウェブ制作やコンテンツマーケティングの現場で、インハウス化の流れはどのような影響をもたらしているのでしょうか。ナイル株式会社でデジタルマーケティングに携わる、實川節朗様にお話を伺いました。

 

インハウス化は唯一の正解ではない

 

塩沢(メタフェイズ):欧米でのインハウス化の流れから、日本でも大手IT企業などを中心に内製化の動きが加速しています。弊社もナイル様もその流れを支援する立場にあると思うのですが。
まず確認しておきたいのは、「インハウス=正解」とは必ずしも言えない、ということだと思うんです。

實川(ナイル):「外注すべき」「内製すべき」という「べき論」ではありませんよね。企業それぞれで、経営モデルや組織体制が異なりますし、シチュエーションに合わせて選択するものでしょう。

 

 

塩沢:インハウス化には社内のチームビルディングが必要ですし、専門知識を持った人材も欠かせない。でも、そうした体力がある企業ばかりではない。限られた予算やリソースで、どうやって最大の成果を得ればいいのかと、悩まれている企業は少なくありません。
そこで僕たちがお手伝いできるのは、「限られたリソースで自立駆動できる形」にすることだと考えています。

實川:インハウスありき、でないのは弊社も同感です。
メタフェイズ様はクライアントにどのようなアプローチをされているのでしょうか。

塩沢:要件定義の段階で、運用の要件についても話し合います。クライアントが持つ運用リソースやコスト、担当者のスキルセットを考慮して、自社内で無理なく回せるコンテンツやしくみをご提案させていただいています。

實川:ひと昔前は、ウェブサイトの運用といえば更新作業がメインでしたが、今はPDCAを回しながら成果を上げていく必要がありますしね。

塩沢:そうですね。企業の規模に限らず、ウェブ担当者の数は限られています。その中で、広報や営業戦略などを気にかけながらウェブサイトを最適化していくのは、やはり大きな負担になりますから。
ナイル様の場合は、どのように支援を行っているのでしょうか。

實川:弊社の場合は、オウンドメディアで自社の情報を発信しているクライアントに、インハウス化のお話をすることが多いですね。
継続して魅力的な情報を発信するには、やはり自社やサービス内容に明るい人物でないとコントロールが難しい。記事を外注するにも予算が必要ですので、社内で編集体制を作るのがベストでしょう。もっとも、メタフェイズ様のケースと同様に、自社内で運用が回せることが前提条件になるのは変わりません。

 

クライアントが考える運用コストは、なぜ実態と異なるのか

 

塩沢:インハウス化において運用が重要であることは、サイト制作もコンテンツマーケティングも同じ。それなのに、運用コストが正しく見込まれていないことがありませんか?

實川:わかります。インハウス化のために担当者をアサインしたものの、思った以上にやることが多くて疲弊している、という話もよく聞きます。特にほかの業務と兼任されていると顕著です。必要な予算やこなすべきタスクの認識が、ずれているのかもしれませんね。

塩沢:最近の傾向なのですが、私たちがクライアントから求められる範囲が、サイト制作以外の領域まで広がってきているのです。それなのに、クライアント側はその要求がサイト制作の範疇に収まっていると考えている。ここに、運用コストの齟齬が生まれる原因がある気がします。

實川:クライアントから要求される水準が上がっているということでしょうか。

塩沢:水準も上がっていますが、より多くの内容を求められている感じですね。サイト制作にとどまらず、マーケティングやコンサルティング的な作業まで含まれていることもあります。要件定義にかかるコストも、5年ほど前に比べたら倍近くまで膨らんでいます。

實川:そこまで含まれると、本来なら部署を横断して検討すべき内容ですよね。マーケティングであれば、マーケティング施策を統括するCMOのようなポジションが必要でしょう。そうなると、そもそもそれは本当にアウトソースできる仕事なのか考えるべきかもしれません。

 

塩沢:そうですね。外に切り出せない仕事なのであれば、インハウス化してもいいわけです。社内の人間が全体を俯瞰しながら進めれば、より運用がスムーズに回るでしょう。
とはいえ、そこまでのリソースは割けないとなると…。

實川:理想が高すぎて、現実が見えていない可能性もある。結局、最初の話に戻るんですね。限られたリソースの中で何ができるかという。

塩沢:そうなりますね。理想と現実のギャップが運用コストの齟齬として現れるから、要件定義の場できちんと言語化して説明しないといけない。こうして「リアリティを知ってもらう」のも、私たちが自立駆動を支援する意味のひとつなのでしょうね。

實川:クライアント側も他社の成功事例を参考にするなど、ある程度のリサーチもされるとは思うんです。ただ、経験がないとわからないことも多い。要件定義で外部のパートナーの力を借りて検討を進めるなど、内外のリソースを有効活用してもらえたらと思います。

バズワードに惑わされず、コンテンツの中身に真摯に向き合う

塩沢:インハウス化の流れにつながる話としては、業界全体での人材流動も挙げられます。最近はメガベンチャーが自社サービス開発に注力するために、ウェブ制作の人材を積極的に採用している印象がありますね。

實川:確かに。だからといって人材がインハウス化でとどまるかというとそうでもなく、スキルが身に付かない、社内政治になじめないなどの理由で独立する人もいる。

塩沢:ウェブ制作会社として生き残るためには、メタフェイズにも新たな付加価値が必要だと考えています。例えば、サービスや製品詳細の紹介文。ウェブ制作会社は枠だけを設けて、クライアントが用意した文章を流し込むのが一般的なのですが、単純にカタログからのコピーが入ることが多い。紹介文とはいえコンテンツですから、もったいないなと感じているんです。コンテンツマーケティングがここに活かせないだろうかと。

實川:サイト内のコンテンツもコンテンツマーケティングの重要な一要素です。コンテンツマーケティングはオウンドメディアの記事を中心としているので、コピーライティングやセールスライティングとは毛色が違いますが、コンテンツをきちんと整えることで成果が得られるのは確かでしょうね。

塩沢:ナイル様はずっと前線でコンテンツを作り続けていますよね。クライアントはコンテンツのどこに価値を見いだしていると感じますか?

實川:やはりコンテンツの中身でしょうか。弊社は紙媒体出身の編集者が多く、企画力やスピード、校正の正確さには一日の長があります。コンテンツマーケティングの明暗を分けるのは、最終的にコンテンツの質の部分。その点で、他社と差別化が図れていると思います。

塩沢:本質的な部分を評価されているのですね。サイト制作では「UI・UX」といったバズワードが先行して、「UI・UXさえやればなんとかなる」と思われることも多いんです。すべてを解決する魔法の杖などなくて、一つひとつ中身を磨いていかなければなりませんね。

實川:インハウス化にしてもUI・UXにしても、手法が先行して期待値が高まりすぎている気がします。今できることを、落ち着いて丁寧にやっていきましょうと。結局、それがゴールへの近道ですから。

塩沢:そうですね。私たちも自分たちにできることを考え抜いて、新たなサービスを提供していければと思います。本日はありがとうございました。

 

【プロフィール】

實川 節朗
ナイル株式会社
デジタルマーケティング事業部 コンサルティング部門 アカウントマネージャー

塩沢 彰吾
株式会社メタフェイズ
取締役

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